記事構成を作ってから執筆をはじめることで、手が止まらず筋の通った完成度の高い記事を書くことができます。
とはいえ、やみくもに作った記事構成では意味がありません。
SEO的に言えば、せっかく書いた記事も検索結果で上位表示されず誰にも読まれません。
SNS経由からのアクセスであったとしても、記事構成が良くないとユーザーのためにならない独りよがりな記事になる可能性が高いでしょう。
そのような事態に陥らないためにも、正しく記事構成を作る技術を身に着けておくことが大切です。
記事構成を作る前に抑えておきたいポイント
Web記事における記事構成とは、
- 記事タイトル(h1)
- 大見出し(h2)
- 中見出し(h3)
- 小見出し(h4)
- 各見出しに対して書かれているおおよその内容
これらの要素と、要素の順序を把握できる記事の設計図です。
記事を書く前に記事構成を作りましょう。
この記事構成を作る前に抑えておきたいポイントがあります。
- キーワードに対するペルソナをイメージする
- 網羅性を意識する
この考えは、SEOの上位表示だけでなく記事のクオリティを上げるためにも必要です。
詳しくはページ下部で解説しています。先に確認したい場合はこちらをクリック(ページ内リンク)。
これらを念頭に記事構成を作っていきます。
記事構成を作る手順
- 書くことを箇条書きでリスト化する(重複は除外)
- リスト化した内容を親子関係でグルーピング(h2,h3,以下)する
- ユーザーが知りたいこと順に調整して並べる
文章作成ソフトやマインドマップソフトを使って原稿の元となる書くことリストを作っていきましょう。
手順は以下の通り。
①でベースを作り、②でリストを強化、③で肉付け。というイメージで3つの工程で進めていきます。
- 検索上位10サイトをリサーチする
・書かれている内容から検索意図の確認・推測をする
・リサーチサイトの目次から書くべき内容をピックアップする - ツールで複合キーワードを見つけてリストに加える
★サジェストキーワードマップツール
・ちえのわ!
・OMUSIBI
・ラッコキーワード(サジェストのみ)
★関連キーワード取得ツール
・Googleキーワードプランナー
・Ahrefs
★共起語取得ツール
・サクサクラボ
・Ahrefs - プラスアルファの情報を収集する方法
★Q&Aサイトから探る
・Yahoo!知恵袋
・教えて!goo
★同ジャンルの口コミorフォーラムサイトから探る
・Amazon
・@コスメ
・はてなブックマーク
★Twitterで探る
・「キーワード min_retweets:3 since:2020-01-01」
★書籍から探る
・図書館
・本屋
1.検索上位10サイトをリサーチする
いきなりゼロから始めても上手く進みません。
現時点で結果を出している検索上位サイトから学びます。
大枠として真似るべき部分は真似て、最終段階でプラスアルファとしてオリジナリティを加えて差別化します。
リサーチにはChromeのシークレットモードを使いましょう。
シークレットモードのショートカット
- 【Mac】⌘+shift+n
- 【Windows、Linux、Chrome OS】Ctrl+Shift+n
記事ページ以外の公式サイトや通販サイトの商品ページなどは参考にならないので調査対象から除外。
上位サイトに書いてある内容から検索意図の確認・推測をする
検索上位サイトに書かれている内容は、
そのキーワードで検索する人が必要としている情報が盛り込んである。
ということになります。
つまり実際に検索し上位サイトの内容を調べることで
- どんな情報を求めているのか?
- なにを知りたがっているのか?
という検索意図の確認や推測することができます。
確認した検索意図はメモ(入力)しておきましょう。
「交通事故 お金」の例
「交通事故 お金」という記事を書く時に、「交通事故を起こしてしまったらお金がどれくらい掛かるのかを知りたい」という加害者の立場に向けた記事を書こうと思ったとします。
しかし、それに裏付けがありません。
裏付けを取るために「交通事故 お金」で実際に検索をします。
すると、実際に上位表示されている記事は「交通事故の被害にあった場合に貰える相場を知りたい」という被害者の立場に向けた記事が多く、最初に書こうと思った「交通事故を起こしてしまったらお金がどれくらい掛かるのかを知りたい」という人向けの記事は10件中で3つだけでした(加害者向けと被害者向けの両方に向けた記事はゼロ)。
このように、記事を書くにも3つの視点の検索意図があること分かります。
- 交通事故を起こした場合にいくら掛かるか知らいたいという加害者側の検索意図
- 交通事故に遭ったらどのくらいのお金を貰うことができるのか知りたいという被害者側の検索意図
- 今回は無かったが、両方知りたいという検索意図
もし検索意図の確認作業をしていなければ、検索キーワードとズレた記事を作ってしまっていたことでしょう。
しっかりと検索で検索意図の裏付けを取ってから記事構成を作りましょう。
リサーチサイトの目次から書くべき内容をピックアップする
上位表示を狙う記事に必要なことは網羅性です。
競合記事の内容はすべて網羅し、プラスアルファの内容を盛り込むことでライバルの存在意義をなくします。
そのために、リサーチサイトの目次から書くべき内容をピックアップし箇条書きでリスト化していきます。
重複している部分は省いて、情報の抜けがない網羅性が高いリストを作りましょう。
この時に、目次がある場合は目次だけで十分なケースが多いので、文章内容は見なくてもOKです。
この後もやることがたくさんあるので、この段階で調査に時間を掛け過ぎるのは良くありません。
リストは、スプレットシートやメモアプリなどなんでも構いません。
目次がない記事の場合は見出しをピックアップする
目次がないページの場合は、見出しをピックアップしリスト化します。
ただし、見出しだけでは内容が理解できない場合もあります。
その場合は文章内容も軽く見て、分かりやすい形でリスト化しましょう。
このように、競合記事を見てこれから書く記事のキーワードを検索する人がどのような関心を持っているのかを調査し見出しを作っていきます。
10サイト中の下位サイトは見る必要がないと思うかも知れませんが、下位サイトは網羅性が足りないが独自の内容が入っているケースがあります。その内容は参考になるのでしっかり下位サイトもチェックしましょう!
2.キーワードツールを使う
キーワードツールは、抽出したキーワードから「どのような内容を記事に盛り込めば良いのか」というヒントになります。
特にメインキーワードに対する3語目以降の複合語は、検索意図を読み取るのに大事な要素で、記事にも盛り込むべき内容です。
例:「転職 面接 〇〇」「転職 〇〇 面接」
この「〇〇」の複合語は記事の内容に入れましょう。
ただし、想定しているターゲットと違うユーザーが検索しているであろうキーワードは除外します。
例:「転職 面接 昇進」etc.
これは肌感覚の部分がありますが、迷う場合は検索結果の上位サイトから読み取ってください。
サイト制作時に作成したキーワードリストにピックアップしたキーワードを使って、さらに詳しく記事構成を強化していきます。
各役割のおおよその目安は以下の通り。
- サジェスト⇒h2に使いやすい
- 複合語⇒h3に使いやすい
- 共起語⇒記事本文の内容に使う
手順①上位サイト調査と同じ作業を繰り返し、盛り込めそうな内容を構成案に入力していきましょう。
サジェエストキーワードマップツール
キーワードに対するユーザーの直接的な興味を知るのに役立つのがサジェストです。
キーワードマップツールは、サジェストを元に関係性を視覚的に抽出してくれるため整理がしやすいので活用しましょう。
関連キーワード取得ツール
競合記事やサジェストに入っていない、盛り込むべき内容を見つけるヒントになります。
特に複合語は記事に入れるべき内容であるケースが多いのでこれらのツールで抽出し確認しましょう。
いわゆるキーワードに広がりがないときは武器になります。
共起語ツール
ターゲットキーワードで上位表示しているページで共通して使われている語句を共起語と言います。
上位表示サイトに共通して入っているので、逆に共起語を欠いていると上位表示に必要な内容が足りないと判断される可能性が高いです。
共起語は記事の肉付けとして使っていきましょう。
Ahrefsで共起語に近いイメージのキーワードを抽出するには、
「Keyword explorer」の左メニュー「関連用語(Related trems)」で【についてもお話します(also rank for)】
で一覧を取得できます。
この機能は上位ページで言及されているキーワード一覧になります。
その他の予備として使えるツール
上記ツールで事足りるかと思いますが、念のためにその他の同系ツールを掲載しておきます。
- Ubersuaggest(関連語ツール)
- もぐらキーワード(サジェストグループ分けツール)
プラスアルファの内容を探るための手段
調べるときに使うキーワードは、上位サイトのリサーチとキーワードツールでピックアップしたリストの内容から使います。
それに合わせて「〇〇 値段」であれば「値段」の類義語になる「費用」「お金」などでも調べてみましょう。
Q&Aサイトから探る
質問者の質問がそのまま内容として使えますので、目新しいものがあればリストに足していきましょう。
同ジャンルの口コミサイトから探る
商品を購入した後の口コミは「なにを求めていたのか」を知るのにうってつけですのでぜひ活用しましょう。
twitterから探る
ツイッターにはさまざまな意見があり、記事構成に盛り込む内容を見つけるのに役立ちます。
とはいえ、検索するキーワードによっては膨大なツイート数になり、チェックするのに多くの時間が必要になるケースもあります。
効率化のためにもツイッターの検索コマンドを使って意見を拾っていきましょう。
コマンド検索例1
コピペ用
キーワード min_faves:
キーワードが転職でお気に入りが15以上付いたツイートのみを検索した。
コマンド検索例2
コピペ用
キーワード min_retweets: url:http since:2020-01-01
キーワードが転職でリツイートが15件以上、サイトリンクがされている2020年1月1日以降のツイートのみを検索した。
よく使われるツイッターコマンド表
内容 | コマンド | 例 |
---|---|---|
指定数以上のリツイートがされたツイートを検索 | min_retweets:数字 | min_retweets:3 |
指定数以上のお気に入りがされたツイートを検索 | min_faves:数字 | min_faves:3 |
指定数以上のリプライがされたツイートを検索 | min_replies:数字 | min_replies:3 |
指定した年月日以降を検索 | since:yyyy-mm-dd | since:2021-08-05 |
指定した年月日以前を検索 | until:yyyy-mm-dd | until:2021-08-05 |
リンクを含むツイートを検索 | filter:links | - |
指定のURLを含むツイートを検索 | url:指定したいサイトのURL | url:hogehoge.com |
画像が含まれたツイートを検索 | filter:image | - |
コマンドなしで細かく検索したい場合は、
をご利用ください。
本・雑誌・新聞から探る
電子書籍は実際に足を使わずにできるリサーチです。
ざっくりとでも良いのでぜひ活用しましょう。
- 電子書籍
- 図書館
- 本屋
記事構成案を作る時のポイント
記事構成を作成するときにポイントを抑えていないと、「記事の内容(方向性)」と「ユーザーが必要としている情報」との間に大きなズレが生じていることに気づかないまま進んでしまうことがあります。
また、あとになって「こうしておけば良かった」という後悔を生まれるようなことも避けたいところです。
これらの事態をできるだけ防ぐために抑えておきたいポイントを解説します。
キーワードに対するペルソナをイメージする
ペルソナとは、ユーザー象・人物モデルを指します。
少なくても以下の表で名前から年収くらいまでのデータは設定しておきたいところです。
項目 | 設定例 | 備考 |
---|---|---|
名前 | 山田太郎 | イメージしやすければ何でも良い |
性別 | 男 | 男、女、LGBTQ |
年齢 | 36 | ○○代ではなく、細かく設定する |
職業 | サラリーマン(事務員) | 仕事の内容も設定する |
住居地 | 東京都内 | 重要な場合とそうでない場合がある。なければ東京都内でOK |
家族構成 | 独身 | 既婚であれば、妻、娘1人、息子1人など |
年収 | 340万円 | 大体で良い |
趣味 | ランニング、飲食店巡り | 関心事などでもOK |
特技 | 運動 | 好きで続けていることでもOK |
よく使うもの | ジム、Amazon、ツイッター | 病院やアイテムなど幅広い |
ライフスタイル | 流行に敏感でツイッターに影響されやすく、よく買い物をする。優柔不断。 | ざっくりでもOK |
5W1Hを埋める
ペルソナにプラスして5WH1を埋めることで、さらに具体的で説得力のある記事を書くことができます。
また、ペルソナ設定をできない場合などは最低限こちらの5W1Hは埋めておきましょう。
When | いつ | 事前か事後か |
Where | どこで | シチュエーションは? |
Who | だれが | ペルソナは? |
What | なにを | なにを知りたいのか? |
Why | なぜ | 知ってどうしたいのか? |
How | どのように | 解決はどこにあるのか? |
情報の網羅性を意識する
上位表示を狙うには、情報の網羅性が必要です。
競合記事の見出しとそれに伴う内容は自分のサイトにも入っている必要があります。
作業に取り掛かるときには、競合記事に掲載されている内容は自分の記事で全て網羅されている状態になるように意識を持ちましょう。
そこにプラスフルファで自分のサイトにしかない内容を盛り込むことで、競合に競り勝つことができます。
とはいえ、不必要な内容まで含むことは悪影響です。
必要な内容であることの裏付けがない限り盛り込むべきではありません。
- 競合に書かれている内容は網羅する
- 競合が意気消沈するくらいの記事を書く
- ユーザーが他サイトを必要としないレベルの記事を書く
さいごに記事構成作りの実作業ポイントのみをおさらい
最終的にこの項目だけを見ながら手を動かせるように、解説やポイントなどを省いたものをまとめます。
- 上位10サイトの目次or見出しを網羅的にピックアップ
- 複合キーワードをキーワードツールで抽出しピックアップ
- Q&Aサイトから盛り込めそうな内容や疑問、不安、求めている(いた)ことをピックアップ
- 口コミサイトから盛り込めそうな内容や疑問、不安、求めている(いた)ことをピックアップ
- twitterから盛り込めそうな内容や疑問、不安、求めている(いた)ことをピックアップ
- 本、雑誌、新聞から盛り込めそうな内容や疑問、不安、求めている(いた)ことをピックアップ
ここまで解説した記事構成の作成方法はあくまで一例です。
最初はこのやり方を参考にした上でカスタマイズして、最終的に自分に合った方法を記事構成作成方法を確立しましょう。